ラグナロクオンラインの終焉を見届ける積もりでいたけど、色々確認してみたら、当分の間は終わりそうにない事を確認したブログ

全盛期のラグナロクオンラインの接続数と現在の接続数を比べて、ラグナロクオンラインはタイトル通りに終わってしまうのではないかと直感的に思っていたのですが、日本ヒューレット・パッカード社のお客様事例などを読むと全然、そんな事はなかったという事が確認できたのでブログのタイトルを変えました。元々のブログのタイトルは「ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ」でした。

2015年10月

木村屋です。
先日、以下の様な記事を書きました。

ラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察(2015年10月25日暫定版) : ラグナロクオンラインの終焉を見届けるブログ
http://ragnarok-last-days.blog.jp/archives/800951.html

この記事の公開後、Twitterで日本ヒューレット・パッカード社のお客様事例にラグナロクオンラインのサーバについて、資料があるというご指摘をいただき、それを確認致しました。

お客様事例:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様 | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/pdfs/gungho.pdf

この資料の中で、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社が2010年秋、ラグナロクオンラインの配信システムの刷新を計画し、2011年にヒューレット・パッカード社の統合インフラソリューション「HP CloudSystem Matrix」を使い、インフラの統合を行っていた事が分かりました。
この資料からは、ラグナロクオンラインで使われているサーバがヒューレット・パッカード社のHP ProLiant BL460c G7であり、サーバの台数が112台であること、ラックが4本であること、ラグナロクオンラインのサーバの仮想化の為にVMWare ESXiを使用していること、データベースサーバはワールド毎に1台存在し、その他に「ラグナロクオンライン共通DB」というラグナロクオンラインで共通のデータ(恐らくはショップポイントやプレイ利用権などの課金についての情報など)を管理するデータベースが存在することなど、非常に多くのことを読み取ることが出来ます。
また、「2010年の時点で運用していたサーバーはトータルで600台弱。ラックは25本にも達していて、サーバーごとに接続されたローカルストレージと併せての運用保守は相当な負担だった」という記述もあり、2010年以前のラグナロクオンラインのサーバ環境についても具体的な記述があります。

HP CloudSystem Matrix | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/products/servers/bladesystem/matrix/

HP CloudSystem Matrix - :ITpro Active
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/ActiveWP/20120718/409721/

更にラグナロクオンラインの1つのワールド毎に3台のVMWare ESXiがサーバとして使用され、1台のVMWare ESXiで5台の仮想マシンが立っている事など、インフラ統合後のラグナロクオンラインのサーバ環境について非常に具体的な事が分かります。
HP CloudSystem Matrixエンクロージャーが7つ使っているとの記述もありますが、これは2012年までのサーバ統合前の各ワールドのグループを指しているものと思われます。PKサーバ、テスト用のサーバ、RJC用のイベント用のサーバなどを管理するグループを合計した数字が7という事なのではないかと推測します。
これらの情報を総合すれば、より精度の高い見積もりを出すことが可能ではないかと考えます。
今後は上記の資料を参考にラグナロクオンラインのサーバの費用についての考察を行いたいと思います。

……と、ここまで書いてきましたが、正直な所、この資料の「効果と今後の展望」の箇所で下記のような記述を見つけ、少しやる気を失っています。

「そして、何よりHP CloudSystem Matrixの導入効果を如実に表しているのが、データセンター運用コストと電力消費量の劇的な削減である。データセンター運用コストに関しては、ラック1本あたりの月額コストを20万円とした場合、25本のラックで構成されていた旧システムの向こう5年間の運用コストは3億円となる。これが、HP CloudSystem Matrixによってラックが4本に集約されたことで、5年間の運用コストは4,800万円となり、2億5,200万円のコスト削減(約84%削減)が図られた計算になる。森田氏は、HP CloudSystem Matrixが顕著な投資対効果をもたらしたことを高く評価する」

インフラに関しては全くの素人である私がいい加減な当て推量で記事を書くまでもなく、答えが書かれていました。
この記述を元に計算すると、ラグナロクオンラインの毎月の運用コストは80万円となり、別途、データセンターなどの費用が必要と考えても、200万円以上のお金が必要とは考えられないと思っております。
先日の記事でも書きましたが、ラグナロクオンラインに土曜の夜にアクセスしているユーザーが1万人と考えて、月額の利用料金が1500円とすると毎月1500万円の収入がある事になります。
勿論、アイテム課金などで入ってくる収益も別途存在するものと考えられます。
2011年の段階で多額の投資を行い、ここまで運用コストが圧縮できているのなら、サーバを運用するエンジニア、ユーザーのサポートを行うサポートセンター、ゲームマスターの職務に従事するオペレーター、ラグナロクオンラインのクライアントとサーバの開発を行う開発者などの職務に従事する方々の人件費、ラグナロクオンラインのクライアント、サーバの保守、改修に必要な費用を見積もった上で人件費を含めた運用コストを算出したとして、恐らくはラグナロクオンラインのサービスは成り立つのではないかという印象を今は持っています。
今は2015年ですから、サーバの減価償却に5年掛かると考えると、今年で終わります。しかし、現在もラグナロクオンラインに「生体工学研究所拡張アップデート:獄」など、アップデートの為の開発が継続している状況を考えるとインフラの更新は必要に応じて随時行われる状況にあると思われます。
インフラと開発にかかるであろう費用を算出し、ラグナロクオンラインというサービスが経済的に成り立つのかを考察することがこのブログの大きな目的でしたが、上記の通り、恐らくは成り立つものと思われます。
仮に今以上にユーザーが減った、将来減る見込みがあるとすれば、サーバの統合などを行い、縮小してサービスを継続すればいいだけの話ではないかと思います。
また、同じくガンホーが運営するMMORPGであるエミル・クロニクル・オンラインは2009年に基本プレイ料金を無料にし、アイテム課金制に移行する事でサービスを継続しているという前例もあります。
ユーザー数が著しく減るのなら、基本プレイ料金を無料にし、アイテム課金制に移行することも考えられます。エミル・クロニクル・オンラインはその方針で5年以上も運営を成り立たせてきたという実績もあります。
この様な背景を考えると、少なくとも、1~2年以内にラグナロクオンラインのサービスが終了するといった状況にはないと考えております。

ただし、これ以外にもラグナロクオンラインについて書きたいことはいくつかあるので、ブログの更新を止めることありません。
また、ラグナロクオンラインの開発費に関する考察を含めた運用コストに関する記事は別途書きたいと思っております。
ブログのタイトルに関しては多分、変更します。具体名の候補などは思い付かないので、しばらくは(仮)を付けることにしました。

今回の記事はここまでで終わりとします。
以上、よろしくお願い致します。

2015年10月26日20時42分追記
よくよく「効果と今後の展望」に書かれた記述を見ると物理サーバやOSなどにかかる費用ではなく、純粋にデータセンターを借りる際の費用について語っているようにも読めます。
この点については別に考察する必要があるかもしれません。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

木村屋です。
今回、ラグナロクオンラインのサーバに月額でいくら必要なのか、考察する記事を書くことにしました。
この記事は非公式な情報を元に、私自身の推測によって書かれており、恐らく正確なものではない事を予めご了承いただけると幸いです。
その為、今後の調査の進展などにより、加筆、修正などを行う必要性が出てくると思われるので、暫定版とさせていただきました。
しかし、当然の事ですが、この記事についての一切の文責は私にあります。
また、サーバ環境に必要な費用の見積もりなどを行っていますが、筆者はインフラエンジニアではなく、サーバ、ソフトウェアの購買などに業務として関わった事がありません。
素人が不確かな知識で書いているため、変なことを書いている可能性が大いにあります。間違いなどがありましたら、ご指摘などをいただければ幸いでございます。
以上の事をご了承の上、記事をお読みください。

ラグナロクオンラインのサーバ環境、AEGISについて

ラグナロクオンラインのサーバ環境については2003年にサーバソフトウェアの流出などがあった為、かなりの事が公になっています。
ラグナロクオンラインのサーバソフトウェアであるAEGIS、サーバ環境については以下のページに記述があります。

ROの鯖の仕組み - Lattice in the Lettuce
http://d.hatena.ne.jp/lettuce_chan/20130912/1379003387

日本のラグナロクオンライン - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%AE%E3%83%A9%E3%82%B0%E3%83%8A%E3%83%AD%E3%82%AF%E3%82%AA%E3%83%B3%E3%83%A9%E3%82%A4%E3%83%B3#.E3.82.B5.E3.83.BC.E3.83.90.E7.92.B0.E5.A2.83.E3.81.AA.E3.81.A9

AEGIS (Ragnarok Online) - Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/AEGIS_%28Ragnarok_Online%29

以上のページの記述から、流出したAEGISは以下の様なサーバから成り立っていることが分かります。

アカウントサーバ

ユーザーがラグナロクオンラインにログインする操作を司るサーバ。サーバのグループの選択までを担当。ログイン後はクライアントとは通信しない。
1ワールド毎に1つあればいいのか、ラグナロクオンラインのサービス全体で1つあればいいのかは不明。

キャラクターサーバ

ゲームするワールドの選択、キャラクターの選択、キャラクターの情報をインターサーバへ送るまでを担当。

インターサーバ

ギルド攻城戦、ギルドチャット、チャット、耳打ち、パーティーなどのサービスの提供、キャラクターサーバから渡されたキャラクターのデータなどを保存している。
キャラクターの実データはインターサーバに残り、ゲームを動かすに必要なデータを自らゾーンサーバに送ったり、ゾーンサーバから問い合わせに応じて、必要なデータを送信しているらしい。
Wikipediaには、各ワールドに1台しか設置できないとの記述があったが、2015年現在でも同じ仕様になっているかは不明。

ゾーンサーバ

ゲーム演算(モンスター、NPC、露店などのゲームの進行に必要な動作)、マップの管理などを行う。

データベースサーバ

ラグナロクオンラインのキャラクターなどのデータを保存する為のデータベースを動作させるためのサーバ。
ラグナロクオンラインでは、Microsoft SQL Serverが使用されていた。推測だが、今でも同じMicrosoft SQL Serverを使用しているものと思われる。
当然、Microsoftのサポート期間の問題からアップグレードも随時、行っているものと思われる。

データベースサーバを除く各サーバは必要に応じて、データベースサーバに問い合わせを行っているものと思われます。
以上、最低でも5つのサーバがラグナロクオンラインのサービスを提供する上で必要であるようです。
以下はラグナロクオンラインのサーバ環境のイメージ図です。

ragnarok_server_image
ラグナロクオンラインのワールド毎のサーバ環境のイメージ図

ragnarok_server_image2
ログイン後のラグナロクオンラインのクライアントとサーバ環境の関係のイメージ図

しかし、物理的に5台のサーバを用意する必要はないようです。
AEGIS流出当時の2ちゃんねるのスレッドなどを見ると、各サーバのプロセスが動いてさえいれば、サーバが1台でも動作するようです。
しかし、実運用では負荷分散などの観点からサーバは分けて立てられているものと思われます。
また上記の情報はあくまでも、流出したAEGISを元にした情報をまとめたものに過ぎない事をご留意ください。
現在、ラグナロクオンラインではサービスの利用権や課金アイテムなどを販売するために、アトラクションツールと呼ばれるサービスを動かしており、これらのサービスに必要なサーバは別途開発されているものと考えるのが、妥当であると思われます。
また、現在のラグナロクオンラインはWebブラウザから認証を行ってからゲームを起動しますが、そのためのWebアプリケーション用のサーバなども別途必要になっていると思われます。これらのサービスはAEGISが流出した2003年には存在しませんでした。
こういった理由から上記の5つのサーバだけで、現在のラグナロクオンラインのサービスが運営できるとは思えません。他にもまだ公になっていないサーバが存在する可能性は大いに有り得ます。
しかし、流出した4つのAEGISのサーバとデータベースサーバによって、ゲームその物を動かすこと自体は可能なようです。
今回は、これらの5つのサーバでラグナロクオンラインを動かすと仮定して、記事を書くこととします。

AEGIS DataBase.Project TopPage(Internet Archive: Wayback Machine)
https://web.archive.org/web/20030925183420/http://f11.aaacafe.ne.jp/~aegis/

ラグナロクのエミュ鯖
http://game10.2ch.net/test/read.cgi/mmosaloon/1112830720/

RagnarokOnline in AEGIS part2
http://game3.2ch.net/test/read.cgi/mmosaloon/1045628820/

以上のような情報から、ラグナロクオンラインのサービスを提供するために必要なサーバの台数、データセンターの費用、ソフトウェアに必要な費用などを考察します。

必要なサーバの台数と費用

ラグナロクオンラインは現在、Urdrを含め14ワールドから成り立っており、単純計算で1ワールドに付き5台と考えて、70台のサーバが必要ではないかと考えます。
しかし、この点について、よくわからない点があり、単純に70台の物理サーバが必要だとは言い切れません。
例えば、アカウントサーバについてですが、このサーバがラグナロクオンライン全体で1つあればいいのか、ワールド毎に1つ必要なのかが私には分からないので、70台とは断言が出来ない状態です。
仮にアカウントサーバがラグナロクオンライン全体で1台あればいいのなら、1ワールド4台のサーバが14ワールドに存在し、1台のアカウントサーバが必要として、57台のサーバが必要となります。
ラグナロクオンラインをプレイする際、まずはログインしたあと、ワールドを選択し、更にキャラクターを選んでプレイを開始するという流れを考えると、アカウントサーバはサービス全体で1台あればよく、ログイン後の処理はキャラクターサーバなどが担当するので各ワールドごとには必要ないのではないかという推測も成り立ちます。しかし、実際の所は現時点では私には分かりません。
また実運用で複数のサーバのプロセスを1台のサーバで動かしている可能性もあり得るので、実際には必要なサーバの台数がもっと少ないかもしれません。
また、サーバの仮想化などを実施し、物理サーバの台数を減らしている可能性も大いに有り得ます。
しかし、今回は話を単純にするため、70台の物理サーバが必要と仮定し、考察を行うこととします。

続いて、サーバの費用についてですが、Wikipediaによるとラグナロクオンラインで用いられているサーバはIBM製であるそうです。
しかし、IBMは2014年にx86サーバ事業をLenovoに売却した為、現在、どこの会社のサーバを使っているか推測する材料がありません。
勿論、Lenovoのサーバを使用している可能性もありますが、今回は単純に国内メーカーのラックサーバを使っているものと仮定して、値段を見積もることとしました。
サーバはNECのN8100-2242Yを使用するものと想定します。

仕様(構成・見積り)(フレームモデル1): R120f-1E | NEC
http://jpn.nec.com/pcserver/rack/r120f1e/spec.html

1Uラックサーバ1台に418,000円が必要と考えて、それに70を掛け、単純計算で29260,000円(2926万円)が必要であると考えます。
サーバについては5年間(60ヶ月)使用するものと考えます。

データセンターの費用

Wikipediaの記事によると、ラグナロクオンラインのサーバが存在するデータセンターはIDCフロンティア(旧ソフトバンクIDC)であると言われ、ガンホー・オンライン・エンターテイメント社とソフトバンクグループとの関係を考えると、今でも首都圏にあるIDCフロンティアのデータセンターにラグナロクオンラインのサーバが存在するとしても不思議ではないという気がします。
また、RJC 2005のWebページを見ると、ソフトバンクIDCのロゴが確認できるため、ガンホーとソフトバンクIDCの間で2005年当時に商取引などの何らかの関係があったと考えるのは不自然ではないと思われます。

ラグナロクオンライン RJC2005
http://ragnarokonline.gungho.jp/special/rjc2005/

肝心のIDCフロンティアのデータセンターのレンタルに必要な費用ですが、IDCフロンティアがデータセンターのレンタルに必要な料金を公開していないため、不明です。
その為、今回はデータセンターとしては中程度の値段である、さくらインターネットのデータセンターのサービスの料金をモデルに計算を行います。
尚、初期費用については考えないものとします。

ハウジングサービス(ラック・回線プラン) | さくらインターネット
http://datacenter.sakura.ad.jp/housing/

まず、70台分のラックを借りるとして、2つのラックを借りるものと考えます。後述しますが、ネットワーク機器もラックに設置するものと思われるので、少し余裕を持たせた借り方をする必要があるものと思います。
2ラックを借りるとして、月額432,000円(43万2000円)が必要な計算になります。
また回線のプランについてですが、非常に多くのユーザーが接続する関係から帯域保証型のプランに加入すると考えます。
100Mプレミアムの帯域専有のサービスに加入するものと考えて、月額432,000円(43万2000円)が必要です。
合計すると月額864,000円(86万4000円)がラックを借りる費用と回線の費用として必要であると仮定します。

ネットワーク機器に必要な費用

サーバに必要なネットワーク機器についてですが、単純にルータが1台、LANポートが24個あるL2スイッチが3台必要と仮定します。
今回、モデルとしたのは下記の機器です。

SWX2300-24G - スイッチ - ヤマハ株式会社
http://jp.yamaha.com/products/network/switches/swx2300-24g/
175,000円

RTX1200 - ルーター - ヤマハ株式会社
http://jp.yamaha.com/products/network/routers/rtx1200/
125,000円

4台のネットワーク機器の合計は550,000円(55万円)となります。
ネットワーク機器については5年間(60ヶ月)使用するものと考えます。

ソフトウェアに必要な費用

2003年に流出したAEGISのファイルから、ラグナロクオンラインのサーバソフトウェアはWindowsネイティブのプログラムであることが分かっています。
個人的な推測ですが、サーバソフトウェアのリプレースには多額の費用が必要なことが予想される為、OS、データベースの変更などを見越した抜本的なリプレースは行われていないのではないかと推測しています。
理由としては、ラグナロクオンラインのアクティブユーザー数は2005年以降、一貫して減り続けている事から多額の投資がし難い状況にあったと思われる事、会社の売上があまりにラグナロクオンラインというコンテンツに依存する状況(平成22年12月期の段階で売上高全体の77.7%をラグナロクオンライン関連の売上が占めている。詳細は下記のPDFを参照の事)から脱却するためにガンホーが事業の多角化を図っていた事などを考えると、多額の費用が必要と見込まれるOSやデータベースの変更などを含む抜本的なサーバソフトウェアのリプレースを行える状況になかったのではないかというのがその理由です。
仮に実際にリプレースが可能な費用があったとしても、そのような経営判断を下すことは難しかったのではないと推測します。
このような事を書くと叱られると思うのですが、私にはラグナロクオンラインのサーバ環境を改善することがガンホーに投資に見合うだけの利益をもたらすとは考えにくいと思うからです。
サーバ環境の改善は既存のユーザーの満足度の向上にはつながると思いますが、新規のユーザーを急増させる事につながるとは考えにくく、リプレースに掛かるであろう多額の費用を捻出し、更に稼働中のサービスに影響を与えずにサーバソフトウェアを差し替える為に多大な労力を費やしたことについて、株主から投資に見合うだけの効果があったのか問われた際、その理解を得られるとはあまり思えません。
新規タイトルの開発や既存のゲームのアップデートなどはゲームのスクリーンショットなどで見た目にも分かりやすく、株主の理解を得られやすいと思うのですが、サーバ環境の改善などは地味で分かりにくく、またリプレースが成功するとは限らない事を考えると尚更、そのような判断を下すことはガンホー・オンライン・エンターテイメント社の経営陣には難しかったのではないかと想像します。
必要なサーバソフトウェアの保守、改修などは随時行っているものと思いますが、上記の理由から現在でも流出当時のAEGISとほぼ同じか、非常に近い構成でサーバソフトウェアは動いているものと推察します。

平成22年12月期 決算短信(「(4) 事業等のリスク ①当社グループの事業に関するリスクについて a.ラグナロクオンラインへの依存について」を参照)
http://www.gungho.co.jp/ir/assets/irk20110214.pdf

以上の推察を踏まえた上でラグナロクオンラインの運営に必要なソフトウェアの費用を見積もります。
まずはサーバに使われているOSですが、前述の通り、流出したAEGISがWindowsネイティブのプログラムであること、恐らくはOS、データベースの変更を含めたリプレースを行っていないと推定される事を考慮すると現在でもWindows Serverが使われているものと思われます。ここではWindows Server 2012 R2 Standardを使っているものと想定し、計算を行います。

サーバのOSとして、Windows Server 2012 R2 Standardを使っているとして、サーバ1台辺り170,000円(17万円)の費用が必要です。
70台のサーバが必要な場合、11900,000円(1190万円)必要となります。

続いてデータベースですが、ラグナロクオンラインのサービスを運用するためには各ワールドに1台のデータベースサーバが必要と思われます。
アカウントとキャラクターを管理するデータベースが1つに収まっているのか、それとも別々に必要なのかは不明です。
しかし、流出したAEGISでラグナロクオンラインのゲームその物を動かすことが可能であったことを考えると、ユーザーIDとパスワード、キャラクターのデータ等は1つのSQL Serverで動かせる状態で保存されていたと考えて差し支えはないと思われます。
今回は話を単純にするため、各ワールドに1台のデータベースサーバが必要と考え、費用を見積もります。
前述の理由から、ラグナロクオンラインでは現在でもMicrosoft SQL Serverを使用しているものと考えます。

1ワールド毎にMicrosoft SQL Server 2012 Standardが1つ。Standardにアクセスするクライアント アクセス ライセンス (CAL)が4つ必要が必要と思われます。
必要な費用は、データベースサーバ用にStandardに153,000円(15万3000円)。データベースにアクセスするAEGISの各サーバ用にCALが4つ必要です。1つのCALの費用は33,300円(3万3300円)として、合計133,200円(13万3200円)です。
StandardとCALの費用を合計すると、1ワールドに付き、286,200円(28万6200円)が必要となります。
ラグナロクオンライン全体で考えると14ワールドとして、4006,800円(400万6800円)が必要な計算になります。
ソフトウェアについては5年間(60ヶ月)使用するものと考えます。

ラグナロクオンライン全体のサーバに必要な費用と月額に必要な費用について

これまでの考察でラグナロクオンラインを運営するために必要と思われるハードウェア、ソフトウェア、データセンターの費用を見積もりました。
これからはそのまとめと考察について記述を行います。

まずは1Uラックサーバ70台に29260,000円(2926万円)が必要。
ネットワーク機器に550,000円(55万円)が必要。
Windows Server 2012 R2 Standardに11900,000円(1190万円)が必要。
Microsoft SQL Serverに4006,800円(400万6800円)が必要。
ハードウェアとソフトウェアの費用を合計すると45716,800円(4571万6800円)が必要となります。
ソフトウェア、ハードウェアは5年使うものとして考え、価格を60で割った値を月ごとの費用として考えます。
月に直すと761,947円(76万1947円)となります。割り切れなかったため、四捨五入して数字を出しました。
これにデータセンターに必要な費用である月額864,000円(86万4000円)を足すと、毎月1625,947円(162万5947円)となります。
結論としては、ラグナロクオンラインを稼働させるためには、毎月1625,947円(162万5947円)の費用が必要であると見込まれます。
勿論、これらの費用に加え、サーバを運用するエンジニア、ユーザーのサポートを行うサポートセンター、ゲームマスターの職務に従事するオペレーター、ラグナロクオンラインのクライアントとサーバの開発を行う開発者などの職務に従事する方々の人件費、ラグナロクオンラインのクライアント、サーバの保守、改修に必要な費用が必要です。
また、上記の数字はサーバの台数を多めに見積もったものである事にもご留意ください。AEGISのサーバソフトウェアは流出当時は重いプログラムであるという評価があったようですが、2003年当時と現在のサーバを比較すると、サーバの性能が著しく向上していること、ラグナロクオンラインのユーザー数も減り、各ワールドごとに接続しているユーザー数も少なくなっている現状などを考えると、サーバの費用を抑えるために複数のサーバのプロセスを1台のサーバで動かしたり、VMWare等のサーバの仮想化の技術を使って、物理サーバの台数を削減したりしている事は十分に有り得る話です。
ショップポイントの課金などを管理するシステム等、2003年に流出したAEGIS以外にもラグナロクオンラインのサービスを支えるためのサーバソフトウェアがあるものと思いますが、それを考慮に入れても、サーバの台数は予想よりも少ないのかもしれません。そうなると毎月必要なハードウェア、ソフトウェア、データセンターの費用は上記の見積もりよりも少ない可能性がある事は否定できません。
サーバ以外に必要な費用については、別途、考察を行い、記事を書かせていただきたいと思います。

ここまで書いて、少し気になったので2015年10月24日22時28分の時点でラグナロクオンラインにログインしているユーザー数を数えてみました。
Urdrも含めて、101,57名のユーザーがログインしているようです。
全員が1500円のプレイ利用権を購入しているものと考えると、単純計算で15235,500円(1523万5500円)となります。
101,57名のユーザーの何割かは分かりませんが、有料の課金アイテムを購入しているユーザーもいると思います。
……これはひょっとして…ブログの名称を変更する必要があるかもしれません…いや、サポートを行う人々の人件費や開発費に必要な費用については調査を行っていないので断言はできないのですが。

今回の記事は以上です。
これからも調査を続け、記事を追加していく予定です。
それでは、よろしくお願い致します。

2015年10月25日7時50分追記
先ほど、Twitterで指摘されたのですが、こんな記事があるそうです。
うっかり見逃していました…恥ずかしい限りです。

ガンホーが運用コスト84%削減 仮想化によるゲーム配信システムの統合効果とは? - TechTargetジャパン ホワイトペーパー ダウンロードセンター
http://wp.techtarget.itmedia.co.jp/contents/?cid=17707

お客様事例:ガンホー・オンライン・エンターテイメント株式会社様 | 日本ヒューレット・パッカード
http://h50146.www5.hp.com/enterprise/casestudy/gungho/
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

木村屋です。
今回はMMORPGを題材にした漫画作品などの紹介を行いたいと思います。
本来、ラグナロクオンラインについての記事を書くべきなのですが、調査に時間が掛るため、こんな記事でお茶を濁す事にしました。お許し下さい。

空談師






空談師は短編集と長編の2つに分かれています。
短編集は1999年が初出、空談師の長編は2002~2003年に発表されました。
登場するゲームはMMORPGというよりもMORPG的な感じですが、些細な事ですね。
発表された時期がMMORPGの普及期とちょうど重なっていて、個人的には非常に好きな作品でした。
作者の方はその後、同じくMMORPGを舞台とした『ナツノクモ』という作品も発表しています。

.hack
.hack - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/.hack

.hackとは、バンダイナムコグループを中心とした企業群によるメディアミックス作品であり、ゲーム、漫画、アニメなどの多数の作品を生みました。
ゲームはやったことがないのですが、アニメは視聴していました。この作品の発表時期も2002年からでMMORPGの普及期と重なっています。

Avalon
アヴァロン Avalon メモリアルボックス [DVD]
マウゴジャータ・フォレムニャック
バンダイビジュアル
2001-07-25


Avalon―灰色の貴婦人
押井 守
メディアファクトリー
2000-12


アヴァロン (映画) - Wikipedia
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%A2%E3%83%B4%E3%82%A1%E3%83%AD%E3%83%B3_%28%E6%98%A0%E7%94%BB%29

押井守監督による2001年公開の実写映画です。
これもオンラインゲームを取り巻くプレイヤーの人間模様を主題とした作品でした。
舞台となっているゲームはMMORPGというよりも、FPSといった感じです。
撮影にはポーランドで行われ、作中の銃火器や軍用車両もポーランド陸軍が運用する本物が使われています。
冷戦期の東側の代表的な攻撃ヘリであるMi-24も登場する戦闘シーンは迫力があり見応えがあります。
BGMも非常に良いです。テーマソングは時々、地上波のテレビ番組でも使われています。
ちなみに小説版も出ています。こちらの完成度もなかなかです。
2009年にASSAULT GIRLSという続編も出ています。

ネトゲ廃人シュプレヒコール










さつき が てんこもり氏により投稿された初音ミクオリジナル曲であり、MMORPGを題材としています。
アレンジも出ていて、そちらも良いと思います。鏡音リンによるアレンジが個人的に好きです。
小説版も出ています。

The Guild
The Guild
http://watchtheguild.com/

The Guild (web series) - Wikipedia, the free encyclopedia
https://en.wikipedia.org/wiki/The_Guild_%28web_series%29

MMORPGを題材とした海外ドラマです。Youtubeなどで配信されていました。
すべてを見たわけではないのですが、結構面白かったです。

紹介は以上です。
こうしてまとめてみると、2010年代以前の作品ばかりになってしまいました。
2010年代になってからもMMORPGを題材とした作品は作られていると思うのですが、最近のライトノベルやアニメには疎く、古い作品ばかりの紹介になってしまいました。
他にも良質な作品などがありましたら、コメント欄などで情報をお寄せいただければ幸いです。
以上、よろしくお願い致します。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

木村屋です。
ブログの今後の更新について、お知らせします。
ラグナロクオンラインについて書きたいと思っている記事があるのですが、調査などに時間が物が多く、早くとも来年2月までは更新が滞る見込みです。
なるべく更新をしたいと思っていますが、しばらくの間は短い記事が多くなる見込みです。
あまりに更新頻度が低くなるのもまずいと思うので、調査の途中でも調査内容をまとめた記事を投稿することもあると思います。
以上、よろしくお願い致します。
このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック Share on Tumblr Clip to Evernote

↑このページのトップヘ